第1章 心
『おはよう。優人。』
私は優人の頭を撫でた。
暖かく毛並みが綺麗でサラサラしている。
………暖かい…か…
此処は人里離れた深い深い森の奥の館。
私以外は動物しか居ない。人間なんて居ない。
私は親に捨てられた。
自分の持つある力のせいで。
……少し昔話をしようか。
これは私の過去と優人との出会いだ。
『お母様。お父様。どうかしら……?』
父『とても綺麗だよ!流石俺の娘だ。』
母『そう…ね……とても綺麗よ。 月海。』
『ありがとうございます……!』
その日は私の成人式だった
私の住んでいる街【レッドキング】
そこは17歳から成人女性として扱われる。
儀式が終わり街を歩くと
「可愛いよ!」「すごく綺麗!」「おめでとう!」
などという声が聞こえる。
だが、お母様は暗い顔だった。
私は何故か分からなかった。