第3章 第二話:彼女はとても綺麗だった、と少年は言った
in町
魔法……
魔法使い
そんなものがあるなんて思ってもみなかった
けど………
信じないわけにはいかないらしい
黒鉄病
あの果実が飛びだす直前に辺りにいる生物を金属化させる現象らしいけど……
いったいどこまでそれに襲われたんだ?
いい加減、消防車や救急車が走り回ってそうなものなのに
そんな気配ひとつもない………
「おい吉野。そう深刻になるな。言ったろ、オレが世界を救ってやるって」
「………それが一番あてにならないよ。お前はちょっと前までただの高校生で相手は魔法使いの集団だろ?どこに勝ち目があるんだ?それに、さっきの果実みたいな巨大な物体。あれは一部だって言ったよな?鎖部一族が目覚めさせようとしているものの?」
「ああ、今、全国各地でああいうのが海だとか山から飛び出して一カ所に集まろうとしている。あれが全部集まったら終わりだ。この世の理を全てひっくり返すやつが元の形を取り戻し復活する」
「この有様じゃ復活する前に終わってないか?」