第12章 いただけないか(有栖川誉)
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フロントで貰った鍵で、扉を開ける。
いつもと違うところというだけで何となく楽しくなってしまうのは、誉さんには言わないでおこう。
お互いに荷物を置いて、誉さんがとんでも無いことを聞いてきた。
「いづみくんは異性の前で自ら服を脱いだことはあるかい?」
「あッ、あるわけないじゃないですか!恥ずかしい!」
「なるほど」
思わず言ってしまった後、誉さんの口角が上がったのを見て後悔した。
「いづみくん、それじゃあ脱げないんじゃないか?」
「や、ぁ、誉さ…恥ずかし、」
「早く脱がないと、ショーツが汚れてしまうよ」
誉さんが座っている上に跨るようにして座る。
上は頑張って脱いだけど、どうしてもショーツが脱げない。
と思っていたら、誉さんがショーツ越しから私の敏感なところを指で擦ってきた。
「あ!…っ、やだ、まッ…」
「ビクビクして、気持ちいいかい?」
「ん…ぁ、ほまれさ、だめ……イっ、♡」
「可愛らしいね」
強弱をつけて擦られて、簡単に達してしまった。
ぐったりして誉さんにもたれかかる。
「疲れたのかい?よしよし」
そういって背中をさすってくれる。
息を整えようと思ったけど、その願いは叶うことはなかった。
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