第9章 君と乾杯。(有栖川誉)
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「冬組の皆、本当にお疲れ様でした!」
カキン、とジョッキが当たる音が響く。
最初はどうなるだろうと思っていたけど、皆さんの頑張りがあってGOD座にも勝利して団員皆で打ち上げをした。
打ち上げが終わった後、紬さんがどうしても冬組だけでも打ち上げをやりたいと言い、冬組だけの打ち上げが始まった。
「すー…すー…」
「おや、密はもう寝ているのかい。まだビール一口しか飲んでないのに」
「ほーら、密くん。今日はいつもと違う、少しプレミアムなマシュマロだ…って痛い!指まで噛まないでくれ!」
「…アリスうるさい」
あの3人は相変わらずだなぁ、なんて思いながらあははと笑う。
ぎゃんぎゃんしてる誉さんを丞さんが止める。
「丞くん!離してくれたまえ!さっきのは流石に許せない!密くんのおでこに制裁を加える!」
「何わけ分からん事言ってんだ。静かにしろ」
「誉さん落ち着いて下さい、密くんはいつもの事ですから…」
「誉さん!ほら!飲みましょう!」
私がそう言うと、うっ、と誉さんが言葉に詰まってたけど着席してビールを飲み始める。
そんな様子を少しおかしいな、なんて思って見てたら東さんがクスクスと笑う姿が見えた。
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