第8章 テンアゲうれピコ!(三好一成)
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「……そして誰もいなくなった」
「夏組はみんな騒がしいからね〜、あ、カントクちゃん俺と2人で周ろうよ!」
なんて言われてクオリティの高い
美大の学園祭を見て周る。
展覧会みたい…
プロが作ったんじゃないかってくらい
完成度が高過ぎる。
「凄いっしょ?」
「うん…思った以上だよ!一成くんのもあるんだよね?」
「あるある〜!でもどれかは教えない!カントクちゃんに当ててほしいかな〜!」
いつも通り調子いい…
でも、私の勘が間違えじゃなければ、今日の一成くんは控えめな感じする。
もしかして…
「……私に見られるの、緊張してる?」
「わぁ!なんで分かったの!?さすがカントクちゃん!」
「女の勘は怖いんだぞ〜!」
「はは、いやー…彼女にはカッコいいモン見せたいっしょ?」
バチーン☆とウインクをプレゼントされる。
普段はお調子者だけど、学校からの課題は真剣にやるし、何より演技への情熱は天馬くんにも負けないと思う。
もしかしたら、彼氏贔屓かもしれないけど。
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