第7章 お庭係(月岡紬)
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でも近くに寄ってきて、パーカーを摘む。
なんでか少し顔が赤い気がする。
その瞬間、紬さんが口を開く。
「…今度、俺のパーカー来てください」
「…やっぱり、嫌でしたか?」
「カントク、優しいから、真澄くんの気持ちも汲み取ってあげたんですもんね。それは分かるんですけど、やっぱり少し悔しくて」
流石、冬組のリーダーと言うべきか。
それまでなんとも無さそうな雰囲気だったのに、その言葉を発する時だけはヤキモチを焼く男の子の様な。
そんな顔だった。
「いづみさん、今日の夜は空いてますか?」
なんの誘いかわかるくらい、大人になってしまった。
中庭で花を2人で見ながらそれが返事の如く、紬さんにキスをした。
end