第7章 お庭係(月岡紬)
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チュンチュン、と小鳥の囀りが聞こえる。
寒くて朝早くに起きるのは辛いけど、身体にいい事をしてる気がして嫌いじゃない。
さて、冬組の稽古だ。
ドアのノックが聞こえて、慌ててパジャマのまま出てしまった。
「カントク、おはようございます」
「あ、紬さん、おはようございます」
「ふふ、カントク。可愛いパジャマですね」
紬さんは笑いながら部屋に入ってきて
少し居心地悪そうにベッドに座った。
紬さんの前で恥ずかしいけど、パジャマ姿でいる方が恥ずかしいから早々に着替え始める。
「…カントク、そんなに慌てなくて大丈夫ですよ」
「なんでそんなに嬉しそうなんですか…」
「え、っと…照れてる顔、可愛くて、つい…」
えへへ、と笑う紬さん。
朝からいいものが見られた…じゃなくて、簡単にパーカーを着る。
最近寒いからと真澄くんがくれた。
紬さんには悪いけど、着ないのも勿体ないから着る。
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