第4章 Jealousy(碓氷真澄)
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ドラマがクライマックスを迎えている頃。
皆はテレビに釘付けなんだけど、私は未だに真澄くんに見つめられてて、気まずい。
ふと、手を握られた。
びっくりして真澄くんをみた。
いきなり真澄くんの方を向いたからか、私の反応に真澄くんも驚いていたけど、その後ふっと笑みが零れた。
「…やっと、コッチ向いてくれた」
カッコイイな、って思った。
ドキドキと心臓が鳴る。
真澄くんの好き好き攻撃はたまに少し滅入る事があるけど、やっぱり私も真澄くんの事、好きだ。
ドラマが終わってみんなが解散する。
皆が飲んだ後の湯飲み、マグカップを洗う。
チラっとソファーの方を見ると、真澄くんと目が合った。
声は発さず、口だけを動かして去って行った。
私の部屋に行ったのかな?
早く洗い物を終えて、彼の待ってる部屋に行こう。
『あとでね』
end