第1章 裁縫の達人(瑠璃川幸)
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「はい、コレ」
かわいくラッピングされた袋。
幸くんに、夜稽古終わりに渡したい物があるって言われて、ある物を中庭で渡された。
「凄い可愛い!あの、開けてもいい?」
「気になってそわそわしてるでしょ?開けなよ」
勢いよくリボンを引っ張り、袋を開ける。
中からはノースリーブのワンピース。
ネイビーの薄目の生地。
ブイネックになってて、ちょっぴりセクシー。
「凄い!幸くん、作ったの!?」
「まあね。練習も兼ねてだけど」
「練習でも嬉しい!私の、為、だよね?」
「…さあね」
あ、幸くん、視線逸らした。
幸くんが照れた時の仕草。
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