第11章 In Rome, as the Romans do.
『いや。 いいんだよ…。
そうだよ。 あの大野病院の息子。
…唯一、医者にならなかったね。』
俺が笑って言うと、知念は『へぇ~』
と呟くように言ってまたビールを
飲みほした。
…コイツ。 生意気ってだけじゃ
なく家に対してなんかある?
いままでにもそういう当たりは、
人の何倍も強かった。
だけど、ホストで培ったものが
営業で役立っていきてきたんだ。
『和くん、 このあと
どうするんですか? ちょっと
相談したい事あるんすけど…
和くんちでサシで飲みなおしませんか?』