第10章 When a cherry tree blooms.
【潤side】
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あれから一年後。
俺は、店を閉めてドイツはドゥッセル
ドルフに来ていた。
あのあとすぐくらいに、専門学校に
通っていた頃の友人が田舎でお店を
開くから一緒に来て欲しいと頼まれ
たからだ。
『J! Jun! ちょっと味みてくれ』
『う~ん。 そうだな。 もう少し
カカオ量を増やしてその分生クリーム
の量を調整してみようか。』
まだまだドイツ語はカタコトだけど、
パティシエとしての腕を認めて敬意を
もって接してくれているし、
なによりマイクとの相性は良くて、
学校に行っていた頃から仲良くて
一緒に仕事するのもすごく楽しい。