第9章 One man fault another lesson
『だいぶ、調子いいみたい。
でも最近兄貴が来ないから寂し
がってたよ。』
本当にその日は…その日までは
全然元気で調子も良さそうだっ
たんだ。
それなのに、それから一週間も
しないで尚哉は突然急変して
死んでしまった。
あたりまえに周りは医者になれ
というし他に選択肢なんて、
与えられなかったのに
尚哉だけは言ってくれたんだ。
『お前にも違う道がある。
違う事でも人を幸せにする力がある。』
自分の道を認めてくれた…
そんな尚ちゃんというぽっかりと
あいた穴を埋めてくれた人…
今の俺には潤さんがすべて…
だったんだ…。