第1章 I met you, and I changed.
ーキュンー
…なんだよ。 キュンって。
なぜかソイツの笑顔が杏樹の笑顔とかぶってしまった んだ。
『…やっ。 待って。
やっぱり、 ケーキ食べて行くか?』
思わず引き止めてしまった。
口をたつ言葉に自分で驚きというより
あきれた。
『え… でも 売り物じゃないって。
』
『あ… うん。 まぁ
そうなんだけど。 ちょっと気が変わった。
君、これから時間大丈夫?』
『あ…。 はい。
俺、夜の仕事してるんで3時間位は
大丈夫です。
ってか、俺 和也って言います。二宮和也。』
そう言って彼はすっと右手を
出して握手を求めてきた。