第18章 魔法が溶ける前に
潤『和也っ。 お待たせ。 じゃあ行こうか。』
そう言うとすっと手を差しだして手をつなぐと指を絡ませた。
和『ふふっ。何か良いね。 ってかチキンもつい買いすぎちゃった。』
潤『いいじゃん。ありがとうな。 忙しかっただろ?』
和『ううん。……あのね。 残業ってのは実は嘘なんだ。
これ……、手作りなんて嬉しくないかもしれないし
初めて作るから美味しくないかもしれないし……あ……っ……』
潤『すごい嬉しい…』
そう言うと同時に繋いだ手を引き寄せられ胸に抱きしめられる。
和『潤さん……? 』
潤『こんな嬉しいバレンタインデー初めてだよ…。
学生の時以来というか、この仕事はじめてから全くチョコをもらえなくなったし、ましてや手作りなんて……
もう嬉しすぎて死んじゃいそう』