第15章 It's bitter and sweet choco
『智さん………… 俺…………』
ぐしゃぐしゃの顔で布団から出てきた知念においでと両手を広げるとそのまま胸に飛び込んだ。
『侑李。 今度は幸せにしてやるからな……。
そうだ……。これはバレンタインだからチョコレートだ
。
それと、こっちはお前にだ。 』
『え………? 俺の分?』
そう言うと、持っていた紙袋の片方を知念にもう1つを和也に渡してくる。
『二人とも開けてみて。』
躊躇していると、先に知念が包みを開けて蓋を開いてみる。
『トリュフ…… これ……って…………』
『松本さんのお店のチョコレートだよ。 お前のも開けてみな。』
『うん………』
今度は和也の顔がぐしゃぐしゃになって涙があふれだした。