Tomorrow Never Knows【A3!】
第1章 .始まりの舞台
「……」
なんということでしょう。
昨日、監督さんに演劇に興味ある知り合いに、寮の前で待っているように言っておく。っと言った。
その知り合いって言うのがあたしな訳ですから、ちゃんと寮の前まできましたよ。
そしたらなんか昨日の団員さんたちが寮の前で待機してて、目が合った瞬間に無理矢理寮の中まで案内されたよ。
そこまではあれだ。百歩譲っていいとして……
兄「貴方が監督さんですか。随分とお若いんですね。それに、とっても綺麗だ」
「やめて!?」
……兄がいた。
兄「あ、いづみ、おはよう。
よく眠れた?朝ご飯はちゃんと温めて食べた?ここに来るまでに変な奴に絡まれなかった?」
「お兄ちゃんおはよう!よく寝たし朝ご飯ちゃんと温めて食べたよ美味しかった!特に生ハムの巻いてあるやつ!後ここまではタクシーに乗ってきたから大丈夫!」
兄「そうか、それは良かった。」
短!あたしの台詞に対して返しが短すぎやしませんかお兄さんよ。
「何でここにおるん!?変装は!?」
そして監督さんをナンパしないで!
兄「何でって…大事な妹を預けるんだからここがどんな場所か知っておかないといけないと思って。
変装も、保護者として来てるんだから、そんな事しないよ」
「…いつまで監督に触ってるんだ」
あたしとお兄ちゃんの会話が一旦終わると、昨日のイケメン君がお兄ちゃんの手を掴んだ。
兄「あ、握手?へへ、サインもいる?」
「……」
イケメン君は黙った。
何だこの自意識過剰男は…とかおもってんのかな、思ってんだろうね!
そりゃ顔売れてるからね、握手の次はサインとかする癖が染み付いてるよね。
でもドンマイ兄よ、それはあなたの立派な勘違いです恥ずかしい。