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Tomorrow Never Knows【A3!】

第1章 .始まりの舞台


「とにかく!あたし、変わりたいの!
お兄ちゃんが居たら絶対甘えちゃうし…お兄ちゃんなら分かってくれると思ったんだけど…」



兄「うーん、そうだなぁ。
いづみが本気なら、応援してあげたいけど…男ばっかりっていうのがなあ。」

「か、監督さんは女の人だった!」

兄「でも役者は皆男なんでしょ?」

「そうだけど〜」




兄「……はぁ。
いつから行くつもりなの?」

「…明日?」

兄「急だなぁ…
取り敢えず、明日その劇団の責任者と話をしてみるよ。それから決めよう」

「えっ。
劇団に顔出すってこと?」

兄「……電話してみようと思ってる」

「そっか…ごちそうさま。
お風呂入ってくるね」

(これは中々許しが貰えそうにないなぁ)











お風呂から上がって、髪を乾かす。

お兄ちゃんより少し濃い、紅色の髪。

あたしとお兄ちゃんは、全然似てない。

お兄ちゃんは演技も上手くて、友達も沢山いるけど、あたしはカツラを被って自分を隠さないと演技できないし、それに友達もいない。

言い忘れていたけどお兄ちゃんも舞台出身の俳優さんなんだ。


「…はぁ」



何だか気落ちしてしまったので、明日に向けて早く寝ようと思い自室へ戻る。



「あ、スマホ」


鞄の中に無かったスマホはベッドの上に放り投げてあった。

「…げ」

電源を入れると着信58件。

全て井川さんからだ。

井川さんっていうのは、あたしが所属している芸能事務所で働いている人だ。

その井川さんがなんでこんなにあたしに着信を入れているのかと言うと、この人は実はあたしのマネージャーなのだ。

(電話……した方がいいよね)


とか思ってたらかかってきた。

(なんてタイミング…)

「もしも(井川「海ちゃん!?」っ……はい」

井川「やっと繋がったよ〜
なんで今まで電話に出てくれなかったの!?
事務所に呼び出してドラマが決まったって言ったらどっか行っちゃって…本当に心配したんだよ!」

「ご、ごめんなさい」

井川さんは本当に心配してたみたいで、その後も延々と説教が続いた。




「はい。今度からちゃんとスマホ持ち歩きます。すみません。はい、おやすみなさい。」

(つ、疲れた)

自業自得だけど井川さんのお説教は長い。今度から気をつけよう……
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