第1章 怪我【佐久間咲也】
『あ、咲也くん』
買い物を終えてMANKAI寮に戻ると、
丁度咲夜くんと一緒になった。
咲「カントク!買い物ですか?」
『うん。咲也くんは今帰り?』
咲「はい!」
いつものように元気な彼を見て、
自然と顔がほころぶ。
咲「カントク、どうぞ―――っ!」
『咲也くん!!??』
玄関のドアに手をかけ、
開けようとした咲也くんの顔が歪んだ。
咲「な、なんでもないです・・・!!
ちょっと指がつっただけです!!」
『そう・・・。でも、中で一応見せて』
咲「はい」
咲也くんは返事をしながら
反対の手で扉を開けてくれた。
『ありがとう』
咲「どういたしまして」
力のない微笑みだった。