第15章 言えない口
PM23:00
ようやく入浴の時間になり
女中入浴中の札を浴場前に出して着替えを持って中へ入った。
(あ〜、お風呂だ!お風呂!!)
1日の中で1番素敵な時間だったりする…
1時間自由に使えるから広いお風呂に浸かりながら居眠りしたりするのが日課になっている。
"ザァアアアアア"
みわ
「沁みるぅ〜幸せ〜〜」←年寄りくさい
肩まで一気に浸かる
みわ
「やっぱり広いお風呂だけあって声響くなぁ〜
よしっ!ストレス発散だーー!
ワーーーーーッ!!!」
響く自分の声におかしくて笑ってしまう
みわ
「あははは!!…スッキリスッキリ!!」
スッキリした後は少しだけ居眠りをして…
残り15分あたりで風呂から上がり脱衣所に戻った。
みわ
「着替え…着替え……あれ?あれれ?無い!??」
脱衣所の何処を探してもない。
(どうしよう…あと15分で交代の時間なのに!!)
いつも12時前に出ると廊下で待っている隊士の人がいたりするので、必ず時間を守って出ないといけない。
何か服の代わりになりそうな物があるか見渡すと…
フェイスタオルがあるのに気付いた。
私はそれを下半身に1枚…そして胸に1枚巻いた。
(これなら…そう水着みたいで…大丈夫……)
そう自分に言い聞かせて、
出入り口の戸を少しずつ開け廊下を見る…
幸いな事に誰も居ない。
私は看板を素早く片付けると、
ダッシュで走り出す。
(誰にも会いませんように!!)
あともう1つ曲がり角を曲がれば自室という場所で、
運悪く沖田さんと鉢合わせてしまった。
沖田
「なんでそんな格好してんの?」
ニヤニヤしながら私の進路を妨害する
みわ
「…すみません…沖田さん…そこ通していただけないですか?」
沖田
「嫌だって言ったらどうするでィ…」
みわ
「お願いします!!」