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真選組三番隊隊長斉藤終と女中のラブストーリー

第15章 言えない口





片付けは手の空いた隊士さんがしてくれると願って





私以外は絶対に入ってこれない女中専用の厠に逃げ込んだ…




便器に座りこれからの事を悩む。




(トイレが1番落ち着く場所って…我ながら凄い所で仕事してるな…)






"pipipipi"






ケータイが鳴った





"パカ"






山崎さんからだった。





みわ
「もしもし…」





山崎TEL
「今何処にいるの?」





みわ
「今ですか?……えと屯所内に居ますけど……」





山崎TEL
「よかった。沖田隊長が怒ってるよ!!早く後片付けしろって…

大丈夫?できる?もし出来なかったら俺がやるけど?」






みわ
「すみません!今行きます!」






"ガチャ"





私は厠から飛び出すと稽古場へ向かって走った…






(お母さんが言ってた仕事は焦って決めちゃ駄目って本当だった…)
















後悔しても遅いけど…

やっぱり後悔しちゃう。












みわ
「すみません、戻りました。」





私は床に置かれた食器を回収してカートに戻していく。





(よかった…残している人は居ないみたい……)




ほっとしながら手を動かしていると、





"ボトボトボト…"




私の頭の上に温くてベトベトのお粥が降ってきた。




みわ
「!?」




降ってきた方をみると…




沖田さんがオタマを持ってニヤニヤしていた。






みわ
「……すみません、もしかして私…ぶつかっちゃいました?

沖田さんにかかりませんでしたか??」






本当は沖田さんが意地悪してかけてきたことくらい知ってるけど、



隊士さん達が心配そうに見ているから、



気づかないフリをした。



でも隊士さん達は気付いているようで気まずそうにしている。



(いけない!空気が…)







私は、



早くカートを引いて稽古場を離れた。






(泣いちゃだめ…泣いちゃだめ私…)






頭の上と肩の上にお粥が乗ったまま食堂のおばちゃんに



カートを渡すと洗面所に行き水で髪についたお粥を落としていく…





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