第28章 お使いデート 前半
みわ
「終さん、お帰りなさい。」
終さんを温かく迎える。
斉藤
「ごめん待たせたね…行こっか 」
何も無かったかのように振る舞う終さん
みわ
「…はい!」
(…わたし…ちゃんと終さんが変わったところ見たよ。)
少し誇らしげな終さんの横顔を見つめながら歩いていたら、
若い恋人達が次々に出てくるお店に気がついた。
みわ
「……」
(なんのお店かな??)
斉藤
「あの店に行きたいの?」
みわ
「え…はい……」
(凄いなぁ〜、何も言ってないのに分かるなんて…)
という事でお店に入ってみた。
"カランカラン…"
店内に入ると照明がうんと暗くて不思議な空間が広がっていた。
私は少し不安になって終さんにピタっとくっつく…
斉藤
「……///」
店内を見渡すと複数のカップルが、
椅子に座って何かの順番を待っているようだ…
みわ
「ここは何のお店なんですかね…」
斉藤
「占い屋…」
終さんは見えにくい場所に置いてあった看板を指差す
みわ
「占いですか……面白そうですねっ。
せっかくだから何か占ってもらいませんか?」
斉藤
「…いいよ。」
終さんは私の提案に乗ってくれて、
最後尾に並ぶ。
椅子は前のカップルまでしかなく、
私と終さんは立って待つ事になった…
(ただ立ってるのって…結構辛いなぁ……)
なんとなくただ立っているだけだと、
下腹部に力が入ってしまい少し違和感を感じる…
斉藤
「……」
みわ
「……」
斉藤
「……すみません」
みわ
「?」
斉藤さんが急に
前に座って並んでいるカップルの男性に声をかけた。
(どうしたのかな?)
男性
「なんですか?」