第19章 大きな栗の木の下で
"トントントントン"
みわ
「終さん…みわです。」
秋も深まって来ているから、
廊下で待っているのは結構辛い…
15分…
20分……
みわ
「あの…入りますよ…」
あまりの寒さに返事はないけど戸を開けてみた。
誰も居ない…
お部屋の時計をみると21時。
(どうしたのかなぁ…)
戸を閉めて再び廊下で待つ。
沖田
「なにやってんでィ?こんな夜更けに…」
そんな私の前を
お風呂からあがってきたばかりであろう沖田さんが通りがかった。
みわ
「頼みたい事があるって終さんに言われて…」
沖田
「終兄さんなら…近藤さんの部屋で幕府のお偉いさんの娘と式の話してたぜィ。」
(式?)
沖田
「いやぁ、俺たちもビックリでさぁ…去年から籍を入れる入れないって話してたみたいでさァ。」
みわ
「……じゃあ待ってても当分来ませんよね?
それなら私…仕事に戻ります。」
沖田
「…あ…うん。あんま頑張り過ぎるなよ」
みわ
「はい…それじゃあ……」
私はその場をダッシュで離れる。
走って走って走って…いつもの1日の終わりの仕事…
洗濯の仕分けをする為に走った。
(ブリーフ!ガラパン!ボクサー!!
ブリーフ!ガラパン!ボクサー!!!)
余計な事を考えたら泣いちゃう!!
私は必死に仕分ける下着の種類を頭の中で繰り返す。
(私は女中!!下着の仕分けなら任せて!!)
洗濯場に到着
(ガラパン!ブリーフ!ボクサー!!!)
夏は涼しくて快適だった洗濯場は、
手が悴んでしまうほど冷え切っていた。
みわ
「さ、寒い……」
早速仕分けを始める
みわ
「ガラパン!ブリーフ!ガラパン!ガラパン!ボクサー…」
(お見合い…うまくいくといいな……
やっぱり好きな人は幸せになってほしいよね!はい!ボクサー!!)
最後のボクサーをカゴの中に入れ下着の仕分けは終わった。