第1章 理想
「まじ?さんきゅ。じゃ、今日は帰り一緒に帰ろうな?校門でまってんかんな」
え……………………。
恋人、成立ですか!?あ……(仮)だったよね。
「えと…あの………うん」
どうなっちゃうの私??なんで(仮)恋人成立しちゃったの!?ていうか、なんで私オッケーしたの?理想の王子様と全然違うじゃん!!
あーー。もうムシャクシャする。
「じゃーな」
空き教室に取り残された私。
「はぁ…教室戻ろう」
私の足取りは速くなる。
意味わかんない。あいつ…急に私を呼び出して告白??……ううん。でも、あいつ私のこと「好き」って言ってないな………。
あれこれ考えていると、教室についた。
「お、おい……。おめぇ、なんにもされてねぇか?」
「は?」
教室に戻ると、雄ちゃんが心配しながら顔を覗き込んできた。
「お前、鬼怒川先輩の噂知らねーんだろ?」
「…?噂ってなによ??」
「先輩、喧嘩つえーらしいぜ?大学生にも手ぇだしたみたいだしよ」
「ふーん。それで?」
「え??」
「私にはカンケーないっての」
まぁ、本当はカンケー大アリなんですけどね。だって一応あいつも彼氏だし…。愛し合ってはいないけどね