第3章 勉強
「おおー!!お金持ちなの!?」
「あ?金持ちってなんだ。誰でも金は持ってるだろ。馬鹿か」
「あんたの方がバカよ、このくそ鬼怒川が」
「やめろ。もう鬼怒川っていうのやめろ」
「はぁ!?なんて呼べばいいわけ?」
そのとき、聖斗くんが言ってきた
「要するにですね、僕と同じように名前で呼べってことですね」
「はぁ……なるほどね。素直にそう言わないとわからないでしょ、んじゃー蓮…くん?」
「ばばばばばバカ!『くん』いらねーっての!このくそ!!!」
「あっ、そっか!そうだね。私が『くん』付けなんて年下にしかしないもんね」
「そ、そうだ」
「んじゃ、蓮?」
「なんだ…?」
見間違いかな……?耳が…赤い。
「呼んだだけ」
「そ、そういえばよぉ、お前って俺のこと「雄ちゃん」としか呼んだことねーよな?」
「え…あぁ、うん。確かにそうだね」
「雄大って呼んでみろよ」
「雄大?」
「おー。そうそうできるじゃん」
クシャクシャ
「んもう、子供じゃないんだから頭クシャクシャすんなっ!!」
「ていいながら笑ってんじゃんw」
「うっさいー!!」
「はいるぞ。いちゃつくなバカ」
「いちゃついてないっ」
ガチャ
「ただいま帰りました」
「……」
「兄さん、ただいまくらいいいなよ」
「帰った」
私は家を見回して思った。
「ねぇ、親とかいないの?」
「旅行。あいつらリア充だからいっつも二人だけで旅行いってんだよ。滅多に帰ってこねーし」
「そうなんだ…」
「では、勉強を始めますか」
聖斗くんはテーブルの前に座ってさっそく鞄の中を探って教科書を出した。
ピンポーン
「あ、兄さんの友達が来たのかな?」
そう言って聖斗くんはみんなに待っててと合図してドアの方へ行った
ガチャ…。
「うぃーっす!!蓮きたぞー!!」
そこにいたのは2人の男の子と……
「拓也さん!?」