第3章 勉強
鬼怒川が教室を出て行った後にクラスの人たちが話しかけてきた。
「えっ!?やばい!!なになに?山蕗さん、鬼怒川先輩よりも強かったの!?知らなかったなぁ。ため息つきながら出て行ったってことは勝ったってことだよね!?」
あぁ…。やっぱり誤解されてるよ。最悪だ。
「そんなんじゃないよ。ただあいつは私に怒らないだけ。」
「えぇ!?鬼怒川先輩が女の子に怒らない!?嘘でしょ〜?鬼怒川先輩って女の子が嫌いなんだよ?キャーキャーうるさいからって。意味わかんないよね〜、みんなそんな女じゃないっての。あっ、これは鬼怒川先輩には言わないでね?」
「う……うん……」
やっぱあいつよく思われてないね。まぁそりゃそうか。あんなの嫌われてるのが当たり前なんだよ。
-----放課後-----
岬と雄ちゃんと私は急いで校門まで走った。
「はぁ…はぁ…ごめん。遅れて」
「別にいー。つーかこいつ弟。高校1年。」
「弟の鬼怒川聖斗(キヌガワセイト)です。高校1年生です。いつも兄がお世話になってます」
うっわー。兄とはまるで別人……。何この子、意外とイケメンじゃん!
「聖斗くんっ♪よろしくね!」
私がそう言った後に鬼怒川が言った。
「はっ。馬鹿かお前は」
「なっ!!なによ!いきなりバカってなに?バカって!!」
「だって彼氏は名前で呼ばねーくせに弟は名前で呼ぶのかよ、アホ以下だ」
「あんた…………嫉妬?」
「ばっ///////黙れこのくそっ!」
「兄さん、くそはダメだろ。女の子にはくそって言葉は使わないようにしないといけないよ」
「そうよ、聖斗くんの言うとおり」