第3章 勉強
「うっわー。わっかりやす」
私はその時岬が言った言葉を聞き逃さなかった。
「なにがわかりやすいの?」
「えっ?あー、いや。せ、先輩の話」
「先輩って……こいつ?」
そう言って私は鬼怒川を指差した。
「う、うん。」
「はっ!?俺?」
「はい。先輩ですよ。わかりやすすぎますよ。顔赤くなるのもわからなくはないですけどね?」
「ばっ、!!!!なにいってんだよ」
「なにいってんでしょーね。ま、ゆりはを幸せにしてあげてくださいね!じゃないと私が承知しませんよ!!」
「はっ!?私ですかー?てゆうかなに?私を幸せにする?こいつが?できねーっしょ?」
私がそう言い終わると鬼怒川は親指と人差し指で私のアゴを持って上にあげた。私が混乱していると鬼怒川は………キスをしてきた。
「ん……あぁ……」
鬼怒川は岬が見ているにも関わらずキスを激しくしてきた。
「んぅ………ふ、はぁはぁはぁ……はぁ」
鬼怒川はようやく唇を離してくれた。岬を見ると岬は顔を真っ赤にしながら見ていた。多分、見てる岬も恥ずかしかったんだろう。
「これだけでも……すっげぇ幸せだろ?」
鬼怒川はふっと笑った。
「しししししし幸せじゃない////」
「お前昨日から見てて気づいたんだけど照れる時耳に髪かける癖あるだろ?」
「へっ!?なんで???」
「だから昨日から見ててって言っただろ」
その時、岬が口にした。
「ややややややや、やっばーーーい!なにこの二人、進展はやくない!?私と私の彼氏でもまだこんな激しいキスしてないんだよ?6ヶ月くらい付き合ってるけど!なんで?すごい!!いいカップル〜」
岬が大声で言うから登校中の生徒がいっせいにこっちを向いた。
「しっ!!静かにしてよ!声大きいってば、岬!!」
「いーじゃん別に。俺ら本当にラブラブだし」