第7章 デート
帰り道、薬研は再び手を繋いで歩いてくれる
その手の温もりが心地よい
「なぁ…」
『ん?どうしたの?』
隣を歩く薬研が急に声をかけてきた
そして、私は薬研の方を向く
「なんか、名前…元気なくないか?」
いきなりの言葉に私はびっくりして目を見開いた
『ど、どうして…?』
「いや、なんとなく顔が暗いような気がして」
その言葉に、薬研は私をよく見ているのだと思った
この数週間一緒にいただけなのに、私のことを気にかけてくれて…表情まで見ている
私は、薬研のことを少しでもわかってあげられてたかな…なんて少しだけ考えてしまった
そんな私の顔を覗き込んでくる薬研は再び声をかけてきた
「名前?大丈夫か?」
『へ、あ、ごめん!大丈夫大丈夫!あ、そうだ…今日の夕食何がいい?』
「夕食か…名前の手料理ならなんでもいいぞ」
『えー、好きな食べ物とかないの?』
「んー…好きな食いもん……」
薬研は目線を逸らしながら悩んだように首を傾げた