第6章 揺れる揺れる
ここ最近、普通に暮らしてきたから忘れていた。
彼らは吸血鬼。
今思えばおかしなものだ。
いままで自分勝手な行動をしてきた彼らに、急に呼びだされ、お酒を注いでもらい、体を気にして休暇まで出すと言う。
これも全部、このための罠だったんだろう。
完全に油断しきっていた。
ジョシュア 「まさか何も考えずにほいほいついつきたのか?」
アッシュ 「これはお仕置きだよ。君は俺たちへの警戒心が全くないから。」
ななし 『……っ。』
アッシュ 「そんな怖い顔しないでよ。俺はしばらく飲んでないから喉カラカラなんだ。」
アッシュの顔が首に近づいてくる。
恐怖心で腰が抜けそうになる。
ななし 『あ…え、むり待って!お願い…』
アッシュ 「もう、うるさいよ。ジョシュア〜、おさえといて」
ジョシュア 「おう」
ななし 『やだやだ…んっ…!?!?』
私の口を押さえたのはジョシュアの手ではなく唇だった。
突然のことに私はもちろんアッシュまでもが目を見開いた。
アッシュ 「え〜!?ジョシュア、ずるくない!?」
ジョシュア 「うるさい、早くしろ」
アッシュ 「え〜…、じゃあ、いただきま〜す…」
耳元で口を開き息を吸う音が聞こえたと思えば首に激痛が走る。
ななし 『んっ!!!う…』
ジョシュア 「ちゅっ、ん…」
ほんと首痛い…
てか、なんでジョシュアは私にキスしてんの!?
意味わかんない!
つい昨日の夜、シャーロットにされたばかりだけど、これは長すぎる。
ななし 『んんっ…はぁ…んっ!』
離れたと思っても次から次へとされる。
そろそろ息も苦しい。
私は耐えられず2人の体ををドンっと押した。
しかし、私は体に力が入らずなかなか突き放すことができなかった。
そんなことをしていると、諦めたように2人が顔をあげた。
ななし 『ぷはっ…!はぁ…はぁ…』
ジョシュア 「ちゃんと息しろよ。へたくそ」
アッシュ 「あー、美味しい…。やっぱ君は特別だ…」
ななし 『はぁ、もう、いいですか…?部屋に帰りたい』
ジョシュア 「待て待て。次は俺の番だ。」