第6章 揺れる揺れる
廊下を歩いていればなんだか騒がしい音がしてきた。
すると、アーロン家の兄弟が勢ぞろいしていた。
なんだろ…?
よく見れば、アッシュさんによってシャーロットが壁に押し付けられていた。
ななし 『ちょ、ちょっと!!何してるんですか!?』
私の声に全員が反応しこちらを向いた。
苛ついているのか、目が怖い。
ななし 『あの、どうしたんですか?とりあえずシャーロットから手を離してください、アッシュさん。』
アッシュ 「……。」
ななし 『離して。』
ため息をつき、ようやくアッシュさんが手を離すと解放されたシャーロットが私に抱きついてきた。
ななし 『わっ!シャーロット大丈夫??』
シャーロット 「ねぇ…っ!ぼくななしちゃんに何もしてないよね!?」
ななし 『え!?なに、どういうこと?』
ジョシュア 「君、昨日の夜なにかあったんだろう?」
ななし 『昨日?私、夜はちゃんと寝てて…あ…。』
アベル 「心当たりがあるらしいな。」
ななし 『えっと…そ、それで気づいたら隣にシャーロットがいて…。あ、でも何でもないの!ただシャーロットが怖い夢を見て怖くて寝れないって言うから一緒に寝ただけで!!』
全員が怪しむように私の顔を見る。
なになに、怖いんだけど。
レイ 「ほんとにそれだけですか?」
え、それだけだよ?他にあったことなんて…
ふと昨日のシャーロットとのキスを思い出す。
うわああああ!
いや、だめだ!これだけは絶対に言っちゃだめ!
ななし 『ほ、ほんとにそれだけですよ。ね、シャーロット?』
焦りからか、いきなりシャーロットに同意を求める。
シャーロットは突然のことに驚いて私を見つめ返す。
あ、シャーロットは昨日の夜のこと覚えてないんだった。
夜、私にキスしたのは第二の人格の彼だから、今のシャーロットに聞いてもなにも分からない。
困った私は目で必死に話を合わせるよう伝える。
ななし 『……。』
シャーロット 「う、うん…。」
よかった!
伝わった!
シャーロットえらいぞ