第1章 ようこそ
そんなことを思っていると、ぐいっと腕を引かれた。
ななし『え!?ちょっと、ナーシャくん!?』
掴まれた腕を振りほどこうとしたが、離れる所かさらに強く引っ張られる。
なんだ、可愛い顔のくせに力は凄いな!
ナーシャ「やだな〜、ナーシャって呼んでよ。あと敬語もやめてよね!それより、時間がないんだ。ほら走って!」
えぇ〜!?どこ行くの!?
完璧私拉致られてますよね!?
ななし『ちょ、どこ行くの!?』
ナーシャ「お家!」
ん?なんで?
とりあえず私は大人しくナーシャについていくことにした。
〜数分後〜
なんだよ、結構な距離を走っているな‥‥
もう足が限界なんだけど‥‥
てか、ナーシャってすごい美形。
黒髪で前髪は左に流している。
瞳はうすい赤色。
まんまるな目がとても可愛らしい。
身長は私とあまり変わらない。
そんなナーシャに見とれていると、なんだか綺麗なお城が見えてきた。
ななし『すごい‥‥綺麗‥‥』
するといきなりナーシャが足を止めた。
急に止まったので勢い余ってナーシャに突進してしまった。
ななし『あ!ごめん!』
ナーシャ「あははっ!大丈夫?」
ななし『うん、へーき。ねぇ、ここは‥‥?』
ナーシャ「お家でーす!」
ナーシャはそう言って大きく手を広げた。
な、なんと‥‥!?
なんだナーシャってどっかの王子様とかなんかなのか!?
ななし『お、おおおお城に住んでるんですか!?』
ナーシャ「そーだよ!すごいでしょ?」
すっごい笑顔で返される。
なんだその笑顔は‥‥!キラキラしている!
まじかここにナーシャは住んでいるのか‥‥!
ナーシャ「さっ!行こっ!」
ななし『え!?入っちゃっていいの!?こんな私が!?』
ナーシャ「なーに言ってんの!君は僕達の大切な人なんだから!」
大切な人?
すると、ギィーっと城のドアが開いた。
ナーシャが手を差し出す。
ナーシャ「さぁ!いらっしゃい!僕達の城へ!」