第1章 宝物
『雷蔵君、とても素敵な着物だとは思うのだけど・・ちょっと予算をこえてしまいそうなので』
『えっ、そんなに高いですか?』
『実は他に買いたい物があるので、折角見立て頂いたのに、すみません』
『ううん、此方こそ勝手にすみませんでした』
『あれ~?何で先輩達がいるんすか?』
少し離れて小物を眺めていたきり丸達がと話している先輩2人の姿に驚いていると、たまたま通りがかったと言う言葉に、素直に納得していて、三郎は苦笑いを浮かべていたが、は楽しそうに笑っているので、三郎もつられるように口角を吊り上げていた。
三郎と雷蔵は用事があるからとそこで離れると、達は賑わう町並みを手を繋ぎ歩いて回る。
その間もところかしこで見守る目が光っていたが、達は誰一人その存在に気付いていなかった。
『何だかとても楽しそうだね』
『ああ、綺麗だ』
『え?』
陰ながら見守っていた兵助の呟きに、周りの4人がギョっと兵助を見つめると、兵助は慌てて手を降る
『いや、あの深い意味はなくて!』
『ふ~ん、そうなんだ』
『兵助がねぇ』
『だから俺はただ!』
『ただ?』
矢継ぎ早に詰め寄られた兵助は観念したように肩を落とすと、溜め息を漏らしながら口が滑ったと自白したので、勘右衛門と八も綺麗だよなぁ~と同意してくれたので、ホッとていたが、三郎はから目を離す事がなかった
『三郎、大丈夫だよ。何もおきてないようだし』
『だと良いけどな』
『何か気になる事でもあるの?』
『・・いや。』
三郎はに視線を送る、男達の存在を気にかけていた。
同じように、他の場所から見守る仙蔵達も無邪気に楽しむ姿に微笑ましくもあり、心配していた
それと言うのも・・ー
『ある意味、乱太郎達が一緒で良かったな』
『お前でもたまにはまともな事を言うな』
『テメェはいちいち喧嘩売ってくるな!』
『(ボソッ)今ので7人目だ・・』
『思っていた以上だな』