第1章 宝物
達を尾行する56年生達はと言うと・・
『あいつら、緊張感0だな』
『まぁあの3人組が一緒だからな』
『楽しそうで良いじゃないか』
『伊作はのんきすぎだぞ』
仙蔵と文次郎が呆れる横で、伊作がほのぼのと見守る様子に留三郎が突っ込みを入れていると、同じように尾行している5年グループは、6年達とは別の形でつけていた。
理由は、全員で尾行しては見立ちすぎて達に気付かれる恐れがあるからだけど、伊作は一人膨れていて、小平太がポンポンと宥めるように肩を叩く
『そう落ち込むなよ伊作、お前は女装が似合うのだから良いじゃないか』
『似合うとかってそれ、慰めになっていないよ小平太』
『伊作、お前文次郎を見てみろ、化け物にしか見えねぇぞ』
『んだとコラッ!』
『文次郎、仮にも女装した姿でコラッ!は止めろ』
そう、6年の6人組は仙蔵、文次郎、伊作の3人が女装をして他3人は村の青年スタイルに変装している。
選別はくじだった為、文句を付けられなかったとはいえ、伊作はの前で女装をする事に抵抗があった為落ち込んだ様子だったが、小平太は皆で外出できる事が楽しいようでウキウキと足取りが軽かった。
達は皆が心配している間に何事もなく目的地である村へ到着した4人は、きり丸オススメの古着屋に向かうと、沢山の着物や小物が並んでおり、はどうしようかと迷っていると、横からスッと手が伸びてきて、淡い水色の着物を胸元に宛てられたので驚いて顔を上げると、そこにはにこやかな笑顔の雷蔵がいた
『雷蔵君に、三郎君迄!?えっ、どうして・・』
『今日は授業がお休みになったので、三郎と息抜きに来たんです。』
『そうだったんですか、驚きました』
『それより、雷蔵の見立てたそれ、どうなんだ?』
三郎に言われて視線を胸元に向けたは、可愛い花柄と優しい色合いの着物に、微笑みながら着物を受けとるが、申し訳なさそうに雷蔵に手渡す