第6章 募る思いと本心【影山飛雄】
影山side
夢香と出会ってから結構経った
アイツとのメールも増えた。
でも、アイツの好きな人は俺じゃない...
多分だけど...日向だと思う
悔しいけど、想いは変えられねぇ...
相手は日向だけど、想うだけなら関係ねぇだろ?
そんなある日、俺は夢香と喧嘩した
キッカケは本当に些細なこと
俺は後悔した
もっと喋りたい
もっと夢香を見ていたい
でも、勇気がない
そんな気持ちは募ってプレイにまで影響し始めた
「影山。お前がトスミスるなんて珍しいな?」
大地さんに言われた
どうしよう
「あやかのことか?」
不意に日向が聞いてきた。
「ッ!」
俺は動揺を隠せなかった
帰り道
日向と2人で歩いていた
不意に日向が喋りだした
「やっぱり、夢香のことだろ?お前、あからさま過ぎて分かりやすいんだよっ!」
「......」
そう聞かれても何も答えなかった
いや、答えられなかった
「お、お前、何か喋れよ.... 喧嘩のこと、気にしてたぞ?」
「...でも...」
歯切れ悪く話す俺
あぁ、俺らしくねぇ..
「なぁ、影山...お前にとって大事な人ほど意外にすぐ側に居るんじゃないか?それは...アイツも一緒だと思う」
「はっ?」
俺はその言葉を聞いて意味が分からなかった。
「あーもー!!!だから、お前がアイツを想う気持ちは.....」
日向が言っていることが少しわかった気がした。でも、それは違うはず....
だって、アイツは...アイツは日向のことが....
「お前と、夢香想いは一緒だ!!」
今度は言い切った
でも、アイツは....
「それって...」
"本当か?"と聞こうとしたがそれよりも早く日向が言った
「早く行けよ。アイツまだ学校で委員会してると思うぞ。喧嘩のこと後悔してた...」
それを聞いた瞬間俺はもう学校へ走り出していた
「気付くのおせーよ....」
日向がそう言ったとも知らずに...