第19章 似たもの同士【矢巾秀】企画作品
そして、バレンタイン当日
私は母にほぼ強制的に持たされたチョコレートをカバンに忍ばせ学校へと向かった
渡す相手……頭の中では分かっているのに何故か行動に移せない
放課後、男子の体育館を見ると及川さんにチョコを渡そうと必死な女子達でごった返していた
なんだこりゃ、凄いな
確かにモテるとは思ってたけど、ここまで来るとアッパレだな
そして、私は深呼吸をした
そうだ、渡すだけ。渡すだけなんだ
私はドキドキしながら女子の練習する体育館へと向かった
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部活終わり、私は急いで体育館を出た
男バレはまだ終わってない
暫くすると男バレの声がする
私は少し期待しながら様子を伺う
すると、いきなり背後から声がした
矢巾「……お前、何やってんだよ」
「うわっ!!」
いきなりのこと過ぎて声を上げる
いや、普通にビビる!!
「や、矢巾……びっくりした……」
矢巾「おう、何してんだよ。………あ、一緒帰ろうぜ」
「う、うん」
私は緊張しながら言葉を返す
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帰り道、私はあまりの静けさに心臓が爆発しそうだった
ヤバい。死ぬ。確実に死ぬ!!
私は頭がパンクしそうになりながら何とか真っ直ぐ歩いた
矢巾「なぁ、山田。俺たちってさ、結構似てるじゃん?……その、顔とかじゃなくて、その……境遇が?」
「ッ!……だね……」
矢巾の言葉に驚きつつも頷いた
矢巾「……お前と一緒にいるとさ、落ち着くし、楽しい。……………多分、好きなんだと思う」
「……!?//////」
まさかの告白に、顔面に熱が集まる
待って待って待って!!!待って!?!?