第15章 時が経っても君を呼ぶ【赤葦京治】
赤葦「前世、山田さんはお嬢様で俺は執事だった...って言ったら驚く?」
「__え...?」
意味が分からなかった
そんな夢みたいな...昼の夢があるわけない
私は何も言わずに押し黙る
すると、どこか悲しそうな声が聞こえる
赤葦「....冗談だよ。驚いた?」
声のした方を見て、固まってしまった
笑っているのだろうけど、悲しそうな
そんな表情に心が痛んだ
ここで、何か言わなければいけない
なのに、何て声をかければ良いのかわからない
どうすれば...どうすれば良い?
どうすれば____
______プツン__
「...京治.....?」
赤葦「...!」
プツンッと何かが切れた瞬間、全てが分かった
____そう、前世の....記憶
そうだ、赤葦君は私の執事...京治だ....
赤葦「.......夢香様....?」
不安そうに、でも笑いながら恐る恐る声をかけてくれる
「あぁ、思い出した。京治.....」
赤葦「.....良かった.....本当に、良かった....」
京治は安心仕切ったように泣笑いながら答える
「__忘れててごめんなさい。でも、もう忘れない.....」
そう言うと、京治目を見開いて、そして優しく微笑んだ
赤葦「今度こそ、貴女を守り抜いてみせる__」
京治はそう言って私を強く強く抱き締めた
私もそれに答えるように抱き返した
end.