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【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第54章 戦国狂想曲2幕(秀吉VS光秀/共通)



あー、今日もいいお天気。



朝から燦々と射し込む明かりの中、まだ人気のない廊下を磨いている。

「よしっ!あとちょっとで終わり!」


身を屈めながら廊下の角に差し掛かった時
勢い良く何かとぶつかってしまった。


「きゃっ…!!!」


バサバサバサッー

頭上から落ちてくる数冊の本。



「すみませんっ、大丈夫でしたか!?」

慌てた声を出したのは、三成くんだった。
咄嗟のことにぼーっとしていると、心配そうな三成くんの顔が間近に迫った。


「迦羅様、怪我は??」

「あ…だ、大丈夫だよ!」

「すみません、積み上げた書物で前が見えず…」

「私のほうこそごめんね!良く見てなくって」





すると、私たちの声を聞きつけたのか
秀吉さんが慌てたように駆けて来た。


「何かあったのか!?」

「あ、ちょっと三成くんとぶつかっちゃっただけなの」

「ええ、私の不注意でした」

「なんだ、良かった」


安心して肩の力を抜く秀吉さんが、じっと私の手元を見つめた。

手に視線を落とすと、さっき咄嗟に頭を庇った時に出来たのか、指には紙で切れたのだろう線状の傷が…。


「怪我してるじゃないか!」

「私としたことが、迦羅様にこのような傷を…」


私の手を取り傷を確認する秀吉さん。
申し訳なさそうに顔を歪める三成くん。


…二人とも、心配し過ぎじゃない?

指には僅かに血が滲んでいる程度で、すぐに治るような傷だけ。


「このくらい平気だよ?」

「駄目だ。ちゃんと手当てをしないと」

「迦羅様に傷痕が残っては大変です」


…何でこんなに心配性なんだろうか。

こんな小さな怪我をした私のほうが、申し訳なくなってきちゃうよ…。







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