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【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第50章 三色の秘薬(家康・光秀・佐助/微甘)


ー光秀の場合ー




「光秀さん、こんにちはー」


秀吉さんから預かった仕事の書状を持って、私は光秀さんの御殿を訪れた。
今日は夜までは城に来る予定がないって聞いたから。


「迦羅か?入れ」

「お邪魔します」

「珍しいな。俺に何か用か」

「これを秀吉さんから預かって……」


書物を差し出しながら、文机に向かい書物を開いている光秀さんに目を向けると・・・

思わず差し出した書状を引っ込めてしまう。


「ええぇぇっ!!?」

「何を一人で騒いでいる、やめろ」

「だ、だ、だって光秀さん…」

「何だ?」


……眼鏡っ!?光秀さんが眼鏡!!?

今まで見たことがなかったけど…
その眼鏡姿につい見惚れてしまった。


「おい、呆けてないでそれを寄越せ」

「あっ、そうだ!ごめんなさい」


慌てて光秀さんの向かいに座り持ったままだった書状を手渡す。

それを広げて文字を追って行く光秀さんの顔を見つめた。


普段は意地悪だけど、こうして見るとすごく知的な雰囲気があるんだよね。

光秀さんって、眼鏡似合うんだ…。



目を通し終えた光秀さんは、私の視線に気付いたようだった。

「何を見ているかと思えば、これか」


頬杖をつきながらもう片方の手で眼鏡を外す。
それがまた何とも言えず艶っぽく見えて…

ドキドキと少しだけ胸が鳴った。



「光秀さんて目が悪いんですか?」

「いや、視力は抜群だ」

「じゃあどうして眼鏡を…?」

「疲れが溜まると目が霞んで見えづらいことがある。それだけだ」

「へぇ、そうなんですか」


そっか、だから見たことがなかったんだ。
こんな光秀さん…貴重なもの見ちゃった。


「ニヤニヤするな、気色の悪い奴だ」

「ふふっ、ごめんなさい」

「用が済んだのなら真っ直ぐ帰れよ」

「はい!」




何だかわからないけど、光秀さんのことをひとつ知れたと思うと、御殿を出る足取りが軽やかだった。


またいつか見られたらいいな。

…光秀さんの、眼鏡姿。









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