第48章 恋の忍びに御用心(猿飛佐助/甘め)
良かった…。
俺の贈り物も、気持ちも、迦羅さんは受け取ってくれると言った。
耳飾りを見ながら、ニコニコしている迦羅さんの顔を見ている俺がどんなに幸せか、教えてあげたいくらいだ。
「せっかくだから、着けてくれる?」
「俺が?」
「うん!」
何て可愛らしいんだ迦羅さん。
そんな風にお願いされたら、断れる男は居ないと思う。
耳飾りを着けようと思うと、迦羅さんの耳に触れる手が少しだけ緊張で震えた。
間近で見る迦羅さんは、頬も、耳まで仄かに赤く染まっていて、見ている俺にまで熱が伝わってくるんだ。
「はい、出来たよ」
「ありがとう!」
満面の笑みは破壊力抜群で、俺の心臓はもう飛び出そうな程おかしな音を立てているんだ。
こうして触れられる日が来るなんて思ってもみなかった。
迦羅さんが俺と同じ気持ちで居てくれるなんてね。
視線を逸らせずにじっと見つめていると、照れくさそうにした迦羅さんは目を伏せてしまった。
もっと良く見せて欲しい。
…愛しい君の、可愛らしい顔を。
「…迦羅さん」
顎を捕らえて名を呼べばまた視線が持ち上がり、赤らめた頬がとても綺麗だ。
うるさく騒ぐ心臓が鎮まりそうにもないんだ…
もっと、君に触れるまでは。
「このまま、キスしても平気?」
「…うん」
ゆっくりと目を閉じた迦羅さんの艶やかな唇は、とても甘い味がして、離したくないと俺の心が言うんだ。
自然と迦羅さんの頭の後ろに手が回って、触れるだけでは足りないと、どんどん深く嵌っていくキスー。
「んんっ…ん」
苦しそうに漏れる吐息で理性を取り戻し、長いキスから迦羅さんを解放した。
蕩けるような顔をする迦羅さんを腕に閉じ込めたら、お互いのドキドキが伝わって…もうおかしくなりそうだ。
「これからはもっと覚悟して下さい」
「え、何を?」
「勿論、これ以上のことです」
「さ、佐助くん!」
「俺は優秀な忍だから、いつでも迦羅さんを攫いに行けるんだ」
「…いいよ。待ってる」
言いましたね?
上杉の忍を甘く見ると、どうなるか教えてあげましょう。
いずれ、ゆっくりとね。
完