第1章 心の在処(織田信長/甘め)
近頃大きな戦はなく
毎日がゆったりと、平和に過ぎていた。
「迦羅いるか?」
部屋を訪れたのは秀吉さんだった。
「色々頑張ってるようだな。あんまり無理するなよ」
ポンポンと頭を撫でる手はいつも優しくて、私を笑顔にさせる。
「何かあったの?」
聞くと秀吉さんは真面目な顔つきになった。
何でも、信長様に謀反を企てている連中が近々攻め込んで来るかもしれないって…
大した兵じゃない、秀吉さんはそう言うけどー。
「攻め入られる前に討って出る。少しの間留守にするが、心配はいらないからな」
「うん。教えてくれてありがとう」
「お前は心配性だからな」
安心させるような笑顔を見せる秀吉さん。
またポンと頭を撫でると、秀吉さんは部屋を出て行った。