第18章 魔王の誓い(織田信長/悲甘)
翌日。
迦羅の記憶が戻ったことを皆に告げた。
そして、迦羅が敵に斬られたあの日のことを、意図して記憶から消していることも。
これからはまた今まで通りの暮らしが始まる。
迦羅が居て、賑やかな声と愛らしい笑顔、皆もそれを望んでいる。
当然これからも戦はあるだろう。
だがその時、俺はもう二度と愛する者を失う恐怖を感じたくはない。
今度こそ、守ってやると約束する。
この俺が必ず、そう誓う。
「信長様、忘れていましたが、顕如のことです」
「何だ?」
「自分の手下が迦羅を手にかけたと聞いて、ひどく動揺していました」
「…迦羅を斬ったのは顕如の命ではなかったか」
「ええ。それで、どうしますか?」
「そのまま牢に入れておけ。俺が、天下布武を成し遂げるまではな」
完