第4章 ケータイ
しばらくしてその人が花壇にやってきた。
「あっ」
「どうもー」
あたしはピンときた。
しきだいの近くにいた、サッカー部のかっこいい人だ…!
近くでみると、同じ高校生とは思えないほど爽やかなイケメンだった。
3年生…?かな?
でもこんな人いたかなぁ?
「ケータイ、見つかってよかったですね。」
あたしは一応そんなことを言ってみた。
「おぅ!まぢさんきゅーな。お前、名前ナニ?」
「2年の石月歩です!」
「2年なのかー! 俺、去年卒業したOBの青井京太郎(あおいきょうたろう)。」
OB!?
どうりで大人っぽいわけだ。
「そうだったんですか!サッカー部…だったんですか?」
「そぅ!今日は後輩しごきにきたわけだ笑」
「しごきに…笑」
「で、歩ちゃんはナニをしてたの?」
「あ、あたしは…」
ケータイを探してました…。
そう言おうとしたとき、その人のズボンのポッケにつっこまれているモノが目に入った。