第3章 隣の席
「……」
…また隣の席の奴は寝ている。
いや、案外いろいろ考えながら寝てんのかな?
あたしはりゅうにたいして、申し訳ない気持ちのほうが大きかった。
あーぁ、謝ったほうがいいかな…
数学の先生の話なんて聞かずに、あたしはりゅうの寝顔を眺めていた。
りゅうってけっこう美形だな。
背は170くらい、真っ黒な短めの髪、目は大きくはないが何故かかっこよく見える。
あたしの好みだからかな?
そんなことを考えていると…
「じゃあー、そこの2番目の問題を…」
数学の先生の視線は明らかにりゅうだ。
やばい。りゅうはまだグッスリなんだよー!
「えとうっ…」
「はい!X=42+Mです!」
あたしは【えとう】といいかけた先生の声に被せて答えた。
「おぉ、大倉正解だ。」
ふぅーあっぶねー…