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【黒執事】壊れた貴女を看取るまで

第12章 重なり合う牙


甦る記憶。

この世界で1番地獄に近いところにいたときの記憶。

赤と黒の記憶。

手を伸ばして

もっと

もっと

「貴方だけ生きていてずるい」

ごめんなさい、謝るから。

黒い手が伸びてきて、私にまとわりつく。

「お前は地獄に行けよ」

黒い手に肩を強く押されて、私はよろめいた。
全部が黒だからどこに堕ちていくというのだろう__
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