第10章 綺麗な白色
「ええっ、僕じゃなくてジェーン?!」
「あなたにはこの間吸わせて差し上げたでしょう?兄様の余り物を」
ジェーンと呼ばれた金髪の吸血鬼が私のもとへと歩いてくる。
セバスチャンの方を見ると3体1で戦っており、とても私を気にかける余裕などなさそうだ。
私が呼ぶまで私のことは気にかけないでとあらかじめ言っておいた罰が回り回ってきた。
ジェーンがコートを取り下げて私の着ていたブラウスを脱がして地面に放り投げる。
マーガレットに手首を拘束具で拘束されて足のみがフリーな私はどうにか抵抗したが意味もなく、首筋に牙があてがわれると一気に入り込んできた。
刹那
頭を痺れさせるほどの快感が頭を貫いて全身を駆け巡った。
快感の余波が足先に伝わってびくびくと震わす。冷たい拘束具の感触でさえも気持ち良く思える。
最後に音を立てながら吸われて私は大きく腰を跳ねつかせる。
「美味しい」
ジェーンは目を細めて笑い、私の腰を抱え込む。
胸で息をするように激しく上下させる。マーガレットが恍惚の表情をしながら口枷を外す。
「らにこれえ…からだっ…があ…」
全身が熱に溺れて息がままならなくなり、快楽が駆け巡っていく。何もしていないのに頭に断続的に押し寄せてくる甘い波がいっこうに止みそうにない。
なにか決定的なモノが欲しくてほしくてたまらない。
「ねえ、マギー。この子美味しい」
ジェーンの指が私の耳に触れる。それだけで全身がびくびくと震える。