第7章 無意味なひと
纏っているものが下着のみになった私は急いで露わになった胸元を布団で隠した。
「ああ、申し訳ございません。少々、力を強くしてしまいました」
代わりのネグリジェを持ってきたセバスチャンが私の手首を見て謝罪をした。
私としては痛くもヒリヒリも何もなっていないが、手首は赤くなっていた。
セバスチャンは私の首にネグリジェを通して着させる。
「幸いなことにシーツは汚れておりませんので、このままおやすみください」
私に丁寧に布団をかけてセバスチャンはワゴンの取っ手を持つ。
「おやすみなさいませ」
ー今晩のことは考えても仕方ない
私はセバスチャンが部屋を出て行くまでに眠りという波に飲まれた。