第2章 2 池袋
誰かに連絡を取りたいところだが、一成は誰かの電話番号を覚えているわけではないので電話をかけるという話ではなかった。
一成は適当に歩いていきコインパーキングにワゴン車を駐車し、談笑をしている4人に声をかけることにした。
「あの、すみません。学園都市に行きたいのですがどうやっていけばいいかご存知ですか?」
一成がそう声をかけると内3人の男女、帽子を被ったガタイのいい男性と黒い服の女性と青い細い印象の男性が目を丸くした。
「あ、あの?」
そう聞き返すと青い男性と黒い女性が一成に一方近づき、興奮げに口をパクパクさせていた。
「き、君ってもしかしてもしかするけどとある魔術と化学な学園都市から!」
「トリップしてきちゃったんスかね!?」
一成の視界がその2人の顔でいっぱいになるくらいの至近距離でそう聞かれた。
「と、トリップ?とかはよく分かりませんが学園都市から来たのですが、訳あって帰り道がわからないんです」
少し身を引きながらそう答えると2人は「おおおおお…………」と顔を見合わせて言った後、「これはまさかまさかだよゆまっち!」「そのまさかでッスね狩沢さん!」と興奮しているが一成にはさっぱりだ。
一成が目をぱちくりさせていると帽子を被った男が「おい」と口を開いた。
「お前、どういうつもりなのか知らねぇがこいつらはそういうのを信じる奴らだからな。からかってるなら後々痛い目を見るのはお前だぞ」
帽子の男は一成にそう忠告のような物言いをするが、これまた一成にはさっぱりだった。