第1章 科学
確かに人は居た。
今は昼下がりで如何わしい系の店はほとんどシャッターを下ろしているものの仕込み関係で彷徨いている「大人」たちがいた。
8割が学生の学園都市の風紀委員ともいえるジャッジメントとしては直ぐにでも都市の許可を取っているのかなどと片っ端から問い詰めたいところだか、ぐっとこらえ大人しかいない周りを見渡す。
少し店を外れ、人が多い所にさしかかりやっと見慣れた学生ばかりの光景を目にすることができると思っていた一成の期待は見事に裏切られた。
行き交う人の中に学生はちらほらといったレベルだった。
ましてや学生であろう子供たちはほとんど制服を着ていなかった。
その様子はまるで、まるで
「学園都市の外みたいじゃないか…………」
その言葉は頭に浮かぶと同時に無意識に口に出ていた。
そして自分で言っておいて「そんなはずないよ……」と軽く笑うも目の前の光景は一成の概念を壊す。
「……………今いる学園都市のランキングの3位以内に匹敵するテレポーターってことになるよ…」
一成はただ宛もなく人で溢れている街をふらふらと歩き続いた。
先ほど捕まえようとした人物が自分をテレポートで学園都市の外へ飛ばしたのだとすると中々の高レベルということになる。
「学園都市以外では携帯は繋がらないなんてことは聞いたことないけど、とりあえず誰かと連絡を取ってこの事を話さないと…
」