第2章 2 池袋
ピンポーン
「はいはーい!」
池袋某所にあるマンションの1室、とある闇医者と運び屋の住む部屋のインターホンが鳴る
「今日は僕の久しぶりの休診日だっていうのに愛する人は仕事で、1人寂しくする僕に会いに来たのは誰かな〜っと」
説明口調の独り言を言いながら玄関を開けるその人は闇医者の男、岸谷新羅。
その彼の言う「セルティ」は今日は仕事の様子だった。
「………」
玄関の向こうに立っていたのは小学校からの友人である平和島静雄。
「どうしたんだい静雄、また臨也に何かされたのかな?でも生憎今日の僕は休診日なのに大切な人がいない可愛そうな………ってそれどうしたの?」
いつも通り1人で喋っていた新羅は静雄の表情と背負っていたものが目に入った。
その背負っていたものは頭に布を巻かれ止血され、所々制服の汚れた少年。
「…………人殺しは臨也だけにすると思ってたけど…」
そういう新羅に静雄は「まだ殺してねぇ!」と怒鳴ると、力を込めたであろう静雄の右足と面していたコンクリートの床が「ドゴォン」といって割る。
「まぁだから僕の所に来たんだよね!とりあえず入りなよ。頭だから万が一があるかもしれないし」
目の前で静雄の破壊活動を見てきた新羅にとっては些細な事で、特に動揺することもなく「どうぞ〜」と中へと入れる。