第18章 愛染明王の真言
名残惜しいが、忙しいこんのすけをいつまでも引き留めると悪いので、七葉は大人しく見送ってまた机に向き直った。
戦績表と一緒に家計簿も作って、生活費や本丸の運営費の管理に刀剣達のお給料についてもちゃんとしないと、などと考えていると薬研と愛染が戻ってきた。
薬研「大将、遅くなった。」
愛染「づがれだ~。」
「お帰り2人とも。資材の片付けをしてくれてたんでしょ?こんちゃんから聞いたよ、ありがとね!」
七葉がお礼を言うと、愛染が口を開く。
愛染「すっげ~量あった。」
薬研「こんのすけのヤツ、函館以前の主要任務の報酬渡し忘れてたって言ってたからな。」
ヘロヘロな愛染にたいして、薬研は何だかケロッとしていて何ともないようだ。
「それは、、、すごいね。」
こんちゃん、どうやってここまで来たのだろう?
トナカイのようにそりを引くこんのすけを想像し思わず苦笑いをする。
薬研「それで、俺っち達はそろそろ出陣部隊が帰ってくるから出迎えに行くが、大将はどうする?」
「私も行く!」
七葉は机の上を手早くかたして、こんのすけから渡された風呂敷を机の下にしまうと立ちあがる。
三人で玄関に向かおうとしたところで、丁度玄関から声がした。
五虎退「戻りました。」
乱「あ~楽しかった。」
加州「疲~れ~たぁ~。」
口々に言いながら靴を脱いで家に上がってくる様子を見る限り、特に怪我も無さそうだ。
「お帰り!」
薬研「お疲れさん。どうだ、戦況は?」
加州「ん?楽勝~楽勝~!」
乱「ね!もう函館は、いいんじゃないかなぁ?マップも埋めれたし♭」
五虎退「はい、頑張りました。」
特に問題も無かったようで安心する。
愛染「じゃ、次行く時はその先だな。」
「だね。でも今日はおしまい。もう夕方だし私と内番が無い愛染でご飯の用意するから、他の皆は内番終わった人からお風呂とか済ませておいてね。」
乱「はぁ~い。」
五虎退「はい。」
加州「了解。」
薬研「わかった。」
愛染「おぅ。」
その場で解散し、愛染と厨へ向かう。
愛染「俺、料理なんかやったこと無いけど、できっかな?」
「難しくないから大丈夫だよ。」
そんな話をしている内に厨につき、七葉は髪を結んで腕捲りをした。