第18章 愛染明王の真言
昼ご飯を済ませ午後から残りのマスを埋めるため、再度函館へ出陣する部隊を決め直す。
既に一度無傷で勝利しているので、今回は前回とは違い和やかな会議になった。
薬研「でっだ、さっき残ったら五虎退は出るとして、愛染は来たばかりだから残りだろ?後誰が残る?」
乱「はいは~い。せっかく近侍なんだからボク主さんといたい。」
加州「えー、俺も残りたい。」
「加州はダメだよ、打刀1人しかいないんだから。」
乱「だよね!さっきだってボスマス脇差いたしさぁ。」
加州「いや、ボスマスであれならハズレマスはもっと弱いでしょ。」
乱「サイコロによっては、またボスマスかもじゃん。」
加州と乱が言い争っていると、五虎退がおずおずと話かけてくる。
五虎退「あの、あるじ様は、どう、したいですか?」
「ん~、喧嘩になると嫌だから残るのは薬研。」
乱「え~!」
加州「え~!」
薬研「お、棚ぼただな。」
愛染「仲良いな、お前ら。」
にぎやかな様子に拍子抜けしたのか愛染が呟く。
「うん!家はアットホームな本丸だよ。」
七葉は嬉しそうに言うと立ち上がった。
「はい、それじゃあ出陣メンバーは30分後に出発だよ~。」
薬研「俺っちは、愛染にその辺案内しとくよ。」
「うん、お願いね。私は皆を送り出したら部屋で戦績とか書いてるから。」
薬研「あぁ、行こうぜ愛染。」
愛染「おぅ!」
こうして次の予定も決まり、各自解散する。
出陣部隊を送り出した七葉が近侍部屋で書類を書いていると、縁側にこんのすけがやって来た。
こんのすけ「主様、お邪魔いたします。」
「あっ、こんちゃんいらっしゃい。」
突然現れたこんのすけに驚きながらも近づいてきたところを撫でてあげると、こんのすけはうっとりしつつ答えた。
こんのすけ「はぁ~癒されますぅ。」
「ふふふ、私も癒される。今日はどうしたの?」
モフモフを楽しみながら質問すると、こんのすけはハッとして細めていた目を開いた。
こんのすけ「そうでした。私、主様にお届け物があり立ち寄ったのでした。」
「届け物?」
こんのすけ「はい、こちらが今回の報酬です。手紙とともに受取箱に投函しても良かったのですが初回ですし何かと説明もいるかと思い。」
そう言って差し出された風呂敷には、たくさんの小判が包まれていた。